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介護食・嚥下食におすすめのミキサーの選び方は?フードプロセッサーやブレンダーとの違いも解説

こんな方におすすめ
  • 家族が嚥下障害と診断され、ペースト食を用意しないといけない
  • ミキサー選びで失敗したくない
  • フードプロセッサーなど、家にある調理器具で代用できるのか知りたい

ミキサーは1万円ほどするものも多く、安い買い物ではないですよね。

せっかく買ったのに思い通りに使えず、「結局、追加で買わなければならない」と無駄買いは避けたいのではないでしょうか。

結論から言えば、「容量がすくなめで、パワーのあるミキサーを選ぶ」ことがポイントです。

特に一人分のおかずのペースト食を作るときは、250mL程度の容量で十分ですよ。

ただし、容量のほかにも選び方にいくつかポイントがあるので注意が必要です

記事を読んで、自分に合ったミキサーはどんなものかを確認してみましょう

目次

介護食・嚥下食におすすめのミキサーの選び方

介護食・嚥下食におすすめのミキサーの選び方
  • 容量が小さい
  • 洗いやすく、清潔を保ちやすい
  • 連続使用が1分ある

1人分を作るのに適した、容量が少なめのミキサーをチョイス

せっかくミキサーを買うのであれば、容量が大きくたくさん調理できるものの方がいいと思うのではでいでしょうか。

実は、大きなミキサーを使うとこのような困りごとがあります。

  • 大きすぎる容器やカッターに食材が多くはりつく
  • 食べる分がほとんどとれず、食材が無駄になる
  • 洗浄の手間が増える

介護食・嚥下食の調理においては「1人分を作るのに適した、容量が少なめのミキサー」を選ぶことがポイント。

ミキサーのカップ容量は、250mLもあれば十分です。

ミキサーの容量料理の目安量
50~200mL約50~100g
(例:ほうれん草のおひたし 40g + 出汁 20g )
200~500mL約200~300g
(例:豚肉の生姜焼き 80g + 出汁 80g )
(例:肉野菜炒め 150g + 出汁 80g )
※出汁の量は食材の水分量によって調整します

適切な大きさのミキサーを買うことで、食材の無駄を減らすだけでなく、調理の手間も減らせて一石二鳥になります。

管理栄養士

あいいろ

もし、ゼリー粥づくりなどおかゆをミキサーにかける用途がある人は、 おかゆの容量(300ml〜700mL程度) があると便利です。

食中毒のリスクをおさえるために、洗いやすい商品がおすすめ

ミキサーはカッターがついているので、ほかの調理器具と比べても洗いづらく手入れが面倒ですよね。

特に、ペースト食などの介護食は次のような理由から、洗いやすさや消毒が重要になります。

  • ペースト状の食材が、容器やカッターにこびりつきやすく、洗い残しにつながる
  • 調理済みの食材を加工する(ミキサーで加工後に、加熱調理をしないため殺菌できない)ので、不衛生だと食中毒や体調不良につながる

具体的に、不衛生なミキサーには次のようなリスクがあります。

ミキサーに洗い残しがあると
  • 洗い残しが食中毒菌のエサとなる
  • 菌が増殖する
  • 介護食に菌が入る
  • 食中毒になる

管理栄養士

あいいろ

実際に、文部科学省から「洗浄・消毒が不衛生なミキサーを介して発生した食中毒の事例」が報告されています。

病院や施設では食中毒発生予防のため、ミキサーの食材に触れる部分を熱風がでる消毒保管庫にて、85~90℃の温度で、30~50分乾燥・殺菌しています

とはいえ、家庭で病院や施設と同じ衛生レベルを求めるのは難しいですよね。

家庭でできることとしては、次のような製品を選ぶことがおすすめです。

  • パーツが分解しやすく、手洗いや食洗機で洗える
  • 食材に触れる部分が煮沸消毒できる


つまり、調理のしやすさだけでなく、お手入れのしやすさも、日々安全な介護食づくりを続けるために大切なポイントとなってきますよ。

ストレスなく調理したいなら、連続使用時間が長いモデルを選ぼう

ミキサーは故障を防ぐため、連続使用時間 (連続して、ミキサーをかけ続けてもよい時間) が決まっています。

その時間を過ぎるようであれば、一度ミキサーを休ませる必要があるのです。

たとえば、こちらの画像の説明書では、
「連続して合計5分使用した場合、約30分休ませるように」
との記載があります。

岩谷産業 クラッシックミルサー 取り扱い説明書 11ページより引用

介護食づくりにおいて、連続使用時間の長さが大切なのは次のような理由からです。

  • ペースト食は、少なくとも1分~2分程度ミキサーをまわす必要あり
  • 連続使用時間が長いことで、調理の中断が少なく、ストレスなく調理ができる

たとえば、私の施設でペースト食を作るときのミキサー使用時間は、1分間まわして、様子を確認してとろみ剤を加え、さらに30秒~1分間という目安で行っています。

病院や施設での、ペースト食のミキサー使用時間

1.料理と出汁を容器に入れ、1分間ミキサーにかける
3.食材がなめらかになったのを確認し、とろみ剤を適量加え、30秒~1分間ミキサーにかける
4.仕上がりを確認して、完成
※料理によっては、さらに長時間ミキサーにかける必要がある場合もあります。

つまり、連続時間が長いミキサーは、ミキサーを休ませる時間がなくスムーズに介護食を作れるのです。

管理栄養士

あいいろ

ささいなポイントのようですが、毎日のこととなると大きな差になってきますよ。こうしたスペックの差が価格差にも反映されています。

のちにご紹介する岩谷のミルサーは連続使用時間5分以内と、かなり優れた性能です。

ミキサー・ハンドブレンダー・フードプロセッサーの違い。介護食・嚥下食におすすめなのはどれ?

機種名得意料理主な機能
ミキサー/ミルサーペースト食、ミキサーがゆ
ポタージュスープ
水分と固形分を合わせて
 なめらかにする

・ミキサー本体の中で混ぜる
ハンドブレンダーポタージュ、ソース、少量の加工水分と固形分を合わせて
 なめらかにする

・鍋の中で直接つぶす・混ぜる
フードプロセッサーハンバーグのタネ、野菜のみじん切り、肉のミンチ食材を刻む・混ぜる
・仕上がりのなめらかさはやや劣る

ペースト食づくりにおすすめなのは、ミキサーまたはハンドブレンダー

ペースト食づくりは、基本的に次の2ステップが必要になります。

ペースト食づくりの基本ステップ
  • 料理に出汁などの水分を加えてなめらかになるまで攪拌する
  • とろみ剤を加えて均一になるまで混ぜ、適度なとろみをつける

この水分と固形分を合わせてなめらかにするという作業を手助けしてくれるのが、ミキサーまたはハンドブレンダーです。

スクロールできます
ミキサーの刃ハンドブレンダーの刃フードプロセッサーの刃
小さな刃で、水分と固形分を混ぜながらペースト状にする大きな刃で、みじん切りや肉のミンチができる

間違ってフードプロセッサーを選んでしまうと、「いつまでたっても料理がペースト状にならない…」「なんのためにお金を払って買ったのだろう」と後悔してしまいます。

そのため、介護食(ペースト食)を作るのであれば、ミキサーかハンドブレンダーを選ぶと、なめらかで飲み込みやすい仕上がりになります。

管理栄養士

あいいろ

フードプロセッサーは、ミキサーやハンドブレンダーと比べて刃渡りが大きく、みじん切りが得意な調理機器なので、ペースト食づくりには不向きとなります。

飲み込みに問題がなく、入れ歯の不調などで「きざみ食」を召し上がっている方の場合、フードプロセッサーが活躍しますよ

【ミキサー・ハンドブレンダーを比較】ペースト食をスムーズに作りたいなら、ミキサーがベスト

食品をペースト状にするために、特化しているのはミキサーです。迷ったらこちらを選びましょう。

ハンドブレンダーはスリムさや鍋などで使える点は便利ですが、工夫しないと食材が均一になりにくく、塊のまま残ってしまうことも。

ミキサーとハンドブレンダーの違い、メリット・デメリットを表にまとめました。

ミキサーハンドブレンダー
容器と刃が一体になっている刃の部分のみで、容器は別
<メリット>
・刃が回ると、容器内部に流れができて自然に攪拌される
・連続使用時間が長い製品が多い
<メリット>
・鍋の中で直接調理ができるので洗い物が少ない
・アタッチメントを変えれば、泡だて器やフードプロセッサーなど多用途で使える
<デメリット>
・専用容器でしか調理できない
・ペーストづくりに特化。ほかの機能はない
<デメリット>
・ある程度の深さがないと、食材に刃が届かないことがある
・鍋を傾ける、ゴムベラで食材を集めるなど工夫が必要
・連続使用時間が短い製品が多い

このように、介護食づくりにおいてミキサーの方がメリットが多く、デメリットが少ないです。

ただ、好みの問題でもあるので、特徴をよく確認して、ご自身に合ったものを選びましょう。

介護食・嚥下食におすすめのミキサー

スクロールできます
おすすめ商品
岩谷産業
クラッシックミルサー

アイリスプラザ
ミキサー

ブラウン
マルチスティックブレンダー
種類ミルサーミキサーハンドブレンダー
容量約260 mL約600 mL鍋などで調理
(約500 mLまで対応)
連続使用5分以内2分以内1分以内
刃の構成2枚刃4枚刃2枚刃
ポイントガラス容器3種付き
少量調理がスムーズ
煮沸消毒ができ衛生的
シンプルで十分な機能
セール価格でお得
アタッチメントを変えれば、
泡立て・みじん切りなど
介護食以外も活躍
向いている人・機能充実でプロ仕様
・本格的に作りたい人
・価格重視
・介護食づくりが
家でできるか試してみたい
・多機能でコンパクト
なものが欲しい
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岩谷産業 クラッシックミルサー

スクロールできます
タイプミキサー付属品ガラス容器 大・小・極小
容量約260mL煮沸消毒
連続使用時間5分以内刃の構成2枚刃

長い連続使用時間と絶妙な容量で効率よく調理できる

岩谷産業 のミルサーは、発売から30年以上の歴史があるロングセラー商品。1人分を作るのに適した容量・スムーズな調理を可能にする連続使用時間で嚥下食づくりにぴったりです。

また、大・小の付属容器があるのもうれしいポイント。大容器で主菜の魚を、小容器で副菜のおひたしを調理でき、容器を途中で洗う手間がありません

さらに、ガラス容器は電子レンジ加熱も可能。食べる前の温めができるのはうれしいポイントです。ガラス容器・カッターユニットは煮沸消毒も可能なので、清潔に保てますよ。

◎メリット△デメリット
容量が小さく、少量でも回しやすい
複数容器で調理がスムーズ
連続使用時間が長く調理がスムーズ
壊れても部品を
メーカー保証1年
特になし

アイリスプラザ ミキサー 600mL

スクロールできます
タイプミキサー付属品なし
容量約600mL煮沸消毒不可
連続使用時間2分以内刃の構成4枚刃

必要十分な機能でリーズナブル

アイリスプラザ ミキサー 600mLは、必要十分な機能で「とりあえず使えるミキサーがほしい」人にぴったり。3000円程度で購入できます

ただし、容器が大きめなので、少量のおかずを回すときには容器や刃に食材が張り付きやすいので注意しましょう。また、煮沸消毒もできないので、衛生管理には気を付けてください。

◎メリット△デメリット
必要十分な機能で、手に取りやすい
容器、カッターなどはパーツごとに分解洗浄できる
カッターは4枚刃でパワーがある
煮沸消毒ができない
容器が大きめで食材が張り付きやすい
あいいろ

デイや施設を利用しているので、介護食はたまに作る程度」、「シンプルな機能があればよい」という方には、ぴったりな製品ですよ。

ブラウン マルチスティックブレンダー

スクロールできます
タイプハンドブレンダー付属品泡だて器、フードプロセッサーなど
容量なし(鍋などで調理)煮沸消毒不可
連続使用時間1分以内刃の構成2枚刃

スリムなスティック型で鍋の中でも使用できる

ブラウン マルチスティックブレンダーは、多様なアタッチメントのある商品。嚥下食づくりではハンドブレンダーアタッチメントを使用します。

調理に使用した小鍋の中などで使用できるので、洗い物を減らせます。また、フードプロセッサーアタッチメントは野菜のみじん切りなどにも活用でき、嚥下食以外の多用途に使えるのが魅力です。

ただし、ハンドブレンダータイプは固形物が残りやすい点に注意が必要です。時々ゴムベラ等で端の食材を集め、全体が均一になるよう注意しましょう。心配なら、最後に裏ごしすると安心ですよ。

◎メリット△デメリット
スリムで鍋の中でも使用できる

多用途で嚥下食以外にも使用できる
固形物が残りやすい

連続使用時間が短い

管理栄養士

あいいろ

手作りに疲れていませんか?

この記事を読んでいるあなたは、手間のかかる嚥下食を手作りされてすごく頑張っている方なのだと思います。

ときには市販品も頼って、自分をいたわってくださいね。

市販品はキューピー「なめらかおかず」シリーズが便利です。スーパーやドラッグストアでも手に入るので、気になる方は試してみてください。

ただし、スーパーでは在庫が限られることも多いので、まとめ買いはネットショッピングが便利ですよ。
迷ったら、タンパク質の摂れる肉・魚を購入しましょう。肉のおかず2種、魚のおかず2種などのまとめ買いも可能です。

ミキサーを使った介護食・嚥下食のおすすめレシピ

ミキサーを使った介護食・嚥下食のおすすめレシピ
  • 焼き鮭 ペースト食(学会分類コード 2-1)
  • お粥 ゼリー(学会分類コード 2-1)
あいいろ

「学会分類コード2-1」は、かまずに飲み込みやすい“なめらかペースト食”のこと。
ムースややわらかいおかゆのように、口の中でまとまりやすく、むせにくいのが特徴です。
どの分類の食事が合うかは、お体の状態によって異なります。
かかりつけの医師や言語聴覚士、管理栄養士などの専門家に相談して決めましょう。

焼き鮭 ペースト食(学会分類コード 2-1)

焼き鮭ペーストの作り方
  • 焼き鮭 ( 1切れ分) の皮と骨をとって、ミキサーに入れる。
  • 出汁を 90 g (大さじ 6 杯) 加え、1分間ミキサーにかける。
  • 味見をして、鮭の繊維がなめらかになったか確認する
    ※まだであれば、追加で30秒ずつミキサーにかけたり、出汁を少量足す
  • とろみ剤(ネオハイトロミールスリム) を 3 g (小さじ すりきり 2 杯)加える。
    さらに30秒ミキサーにかけて完成。
    ※様子をみて、とろみ剤や水分は調整する

お粥 ゼリー(学会分類コード 2-1)

お粥ゼリーの作り方
  • 全粥 120 g を70℃以上に温める。
  • 温めた粥と、スベラカーゼ 1.2 g(粥の量の 1 %) をミキサーに入れる。
  • 均一になるまで1分程度ミキサーにかけ、完成

よくある質問

ペースト食がまずいと言われます。何かできることはありますか?

ペースト食は料理に水分を加えて作るので、味が薄まっています。
加える水分に出汁や煮汁を使用したり、少し調味料を加えて味を調えると食べやすくなりますよ。

まとめて作って冷凍保存はしてもいいですか?

誤嚥につながる離水(りすい)を防ぐため、基本的にはその都度食べる分だけ作るのがおすすめ

もし冷凍するなら、解凍後によく混ぜ、離水があればとろみ剤で調整しましょう。

家庭でペースト食を冷凍保存すると、次のような困りごとがあります。

ペースト食を冷凍保存すると起こるリスク
  • 冷凍したペーストを解凍すると、離水(食材の固形分と水分が分かれること)が起きる
  • 離水したペーストを食べると、誤嚥につながる

離水した食べ物は、飲み込む力が弱っている人にとって危険です。

水分と固形分がわかれたペーストを飲み込もうとすると
  • 水分が先にのどに落ちていく
  • 遅れて固形分がのどに落ちていく
  • 時間差によって、飲み込みの機能がうまく働かず、気管の方に間違って食べ物が入る
  • 誤嚥する

安全な状態でペースト食べてもらうために、離水が起きていないか十分注意しましょう。

嚥下食づくりが大変です。何か手間を減らす方法はありますか?

最初から料理を作るのではなく、市販のお惣菜を買ってきて、それをペーストに加工するのもおすすめですよ。

嚥下食づくりに疲れてしまいました…。市販のペースト食はありますか?

キューピーの「やさしい献立 なめらかおかず」というシリーズは、スーパーやドラックストアでも販売されています。試してみてよければ、アマゾンなどでまとめ買いもできますよ◎

まとめ

介護食におすすめのミキサー選びのポイント

洗いやすく、清潔を保ちやすい

連続使用が長く、調理がスムーズ

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この記事を書いた人

医療・介護分野で栄養支援に携わる管理栄養士。
高齢者領域での栄養管理を経験。
働き方に悩んだ経験から、栄養士・管理栄養士のキャリアや在宅高齢者の食事支援について発信しています。

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